番外編(川島雄三作品) NEW 2014.5.29
『天使も夢を見る』 川島雄三監督
1951年 松竹大船

NEW 2018.4.10 画面写真追加


川島監督の松竹時代の映画の中でも、最も都会的でお洒落なセンスが光るラブコメディ『天使も夢を見る』。
タイトルもいい。原作は藤沢恒夫、脚色は伏見晁。
キャストは鶴田浩二、津島恵子、佐田啓二、幾野道子、河村黎吉など。
残念ながらDVD、ビデオとも映像化されたことは無いです。
過去にスカパーでは何回か放送されています。


タイトルバックの後のファーストシーンはグラウンドで野球の練習をしている「サクラ製薬」の野球部の社員たち。
鶴田浩二、佐田啓二などが登場する。
練習を終えて白いワイシャツ姿の社員たちが、バットやバッグを持って坂道を歩いていく。
ロケーションの推定場所(後述参照)は東京の渋谷区の南平台町。鉢山町交番前の交差点から「旧山手通り」への道だと思われる。
映画の画面では左右のマンションは邸宅の塀と木々。道も土である。
写真の反対側にあった映画の中の広いグラウンドはもちろん今は無く、グラウンドがあったと推定される場所にも大きなマンションが建っている。

 


上の写真をさらに先に進んだ場所。
現在は写真の左側は「伊太利屋」という有名なアパレル会社。
渋谷駅西口から出ている「東急トランセ」という渋谷〜代官山の循環バスの「伊太利屋本社」というバス停がある。
映画では会話する鶴田浩二、佐田啓二の前を歩く3人の社員が坂を上っていく後姿のショットが登場する。
当時と同じものかは不明だが、映画にも左の石塀が映っている。正面の大通りは「旧山手通り」。左が代官山方面


 


上記の写真の道から「旧山手通り」に出た場所。
映画ではここに「東急バス 鉢山」と書かれたバス停があり(現在はここには無い)、葉山の社長(河村黎吉)宅へ向かう鶴田浩二がバスに乗り込む。
映画では右の塀のところに外国人の住居らしい家と庭が映っている。
場所の推定は、現存する住所 渋谷区・鉢山町と映画の中のバス停の表記によるもの。
「旧山手通り」は広さからいっても映画の中に出てくる道にほぼ間違いない。
偶然だが、最近出たワイズ出版の川島本の中で、コラムニストの泉麻人氏がこのバス停のロケ場所について説明しているのでそれも参考にさせてもらった。


   


上の写真の「旧山手通り」を渡ったところ。
映画の中盤で葉山の社長宅から戻った鶴田浩二が同じ停留所(鉢山)でバスを降り、野球の練習を終えた3人の社員と出会うシーンに登場する。
映画では、正面の木々も小さく、ビルはまったく無く、坂の下は遠くまで見渡せる。坂ももっと広く、急に見える。
何といっても63年前の映画なので風景の変化は当然だろう。

   


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